【原 水】
伊豆大島は、東京から南へ約120㎞、伊豆半島との最短距離は30数㎞と比較的本州沿岸に近い海域にもかかわらず、島から数㎞の沖合では、水深数百mに達する急深な地形と黒潮の分流による潮の流れが、本州沿岸域の汚れた海水を隔絶しています。
また、大島には河川がないため、陸水の影響を受けることなく、常に安定した水質の天然海水を採水することができます。そして、強い潮流と季節風により、大島では海面生け簀による養殖業ができないため、近年問題になっている、薬品による汚染や寄生虫の蔓延も皆無です。

[沖合から採水される伊豆大島の天然海水は清浄そのものです。取水施設からは、専用のトラックで運搬されます。]
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【水槽への導入にあたって】
どんなに清浄な天然海水でも、海水中には必ずプランクトンや細菌類が存在します。天然海水が、海産生物の飼育に最適であることは言うまでもありませんが、存在する微生物は常に有益な作用をもたらす訳ではなく、プランクトンの死滅による水質の悪化や悪玉の細菌類による病原菌の介入等が、アクアリウムに致命的なダメージを引き起こす可能性を持っています。つまり、天然海水を未処理の状態(生海水)でアクアリウムに用いることは、危険と隣り合わせの状態であるとも言えます。
また、天然海水から、プランクトンやバクテリアの導入を期待される方もいらっしゃいますが、食物連鎖の底辺に位置する動物プランクトンはそのほとんどが、数日程度で寿命を終えます。餌となる植物プランクトンは、真っ暗なパッケージ内では光合成を行うことができず、短時間で消滅してしまいます。世代交代に必要なエネルギー得ることのできないプランクトンは死滅し、有害なアンモニアや亜硝酸の発生源にもなりかねません。また、水質を浄化する硝化バクテリアは、岩や砂等の表面に盤状に付着した状態で存在するので、海水中に浮遊していることはほとんどありません。
微生物の導入は、汲みたての天然海水を短時間で水槽に入れる以外には、天然海水からのプランクトンの移植は非常に難しいので、信頼できる業者が販売するプランクトンパックやライブロック、あるいは市販の硝化細菌等を利用することをお勧めします。従って、水質と微生物の導入は別問題と考えた上で、天然海水を使用することにより、水質面での最高の飼育環境が確立されます。
【海水処理工程】
弊社では、天然海水を安心してお使いいただけるよう、独自の技術で、精密な濾過と殺菌を施し、常に安定した品質の天然海水をお届けしています。

[海水処理システムイメージ図]
精密に処理された海水は、海から汲み上げた状態に近い品質を長期間保つことができるため、成分やイオンバランスの変動がほとんど起こりません。
【品質管理】
弊社では、お客様の大切なサンゴや海水魚を安心して飼育できるよう、自社ラボにて充填ロット毎に高精度の機器類を使用して水質測定を行っております。

[自社ラボスペース全景]
-測定方法と機器類のご紹介-
塩分濃度及びpHの測定は、高精度のマルチモニタリングメーターを使用します。
pHは、小数点以下3桁までの測定が可能で、毎週行われる3点校正でいつも正確なpH値を測定することができます。
塩分濃度は、純粋なNaCl量と海水としての塩分濃度の測定が可能です。
また、この機材では、センサーの交換により、溶存酸素量やCo2の含有量、カルシウム量等10種類以上の測定項目が設定できる非常に優れた機材です。
[マルチ水質計MM-60R] [塩分濃度の表示/pHの表示]
天然海水の塩分濃度は地域や環境により若干の変動があるため、世界基準になる標準海水を用いて使用機器の校正を行います。また、デジタル化された機材のみに頼らず、精度検定済みの比重計や水温計での確認作業も行っています。
[標準海水] [検定済みの比重計と水温計]
カルシウムやマグネシウム、KH等の硬度測定には、デジタルタイトレータを使用します。
この器具は試薬を正確に滴定することができ、試薬が変色する滴定数をカウンターから読み取り、数値を求めることができます。
[デジタルタイトレータHACH0347] [スターラで試薬を攪拌しながら滴定します]
栄養塩類や窒素等の測定には、高性能分光光度計、スマートスペクトロを使用して精度の高い測定を行っております。試薬を入れたサンプルの着色状態を各試薬専用の波長で比色し、数値化された測定結果を得ることができます。着色の原理はホビーレベルの水質測定試薬とほぼ同じですが、肉眼では比色できないわずかな変色でも、分光光度計を使うことにより、正確に数値化することができます。
また、精度の高い測定には、高性能な試薬を正確に分量を計る事も不可欠です。
(写真はリン酸塩の測定例)
[比色用サンプルセル] [スペクトロチャンバーへ装着]
[数値化された比色結果] [高精度電子天秤ADーGX600と専用試薬]
以上の方法で得たデータはパソコンに送られ、充填ロット毎の水質チャートとして保存されます。ホビーレベルの測定では検出できない極微量の塩類や窒素も正確に測定することにより安心・安全なとびきりの天然海水をご提供させていただきます。
- ※注1
- 天然海水は成分構成が非常に複雑なため、妨害物質による若干の測定誤差が生じる場合があります。
- ※注2
- 天然海水は酸素や二酸化炭素等の溶存量によりpHや硬度の変動が起こるため、時間の経過とともに測定時と数値に差が生じる場合があります。
- ※注3
- 提供する測定結果はお客様の海産生物飼育のデータとしてご利用いただくものであり、公式な分析試験成績書ではありません。
<使用機材スペック(メーカーHPより)>
- マルチ水質計MM-60R http://www.toadkk.co.jp/product_ex/rseries/rseries3_3.html
- デジタルタイトレータHACH0347 http://hachtoadkk.com/prdct/lab/DT.htm
- 分光光度計スマートスペクトロ http://www.arbrown.com/product/environment/smart_spectro/
【もうひとつのこだわり】
数値的な検査だけではなく、ラボスペースに併設された飼育温室内に設置されている経過観察用の水槽を毎ロットごとに50%の換水を行い、サンゴや魚たちの状態、コケの発生状況等を経過観察します。つまり、人間の視点だけではなく、直接、サンゴや魚たちに棲み心地を聞いてみます。

最小限の設備で添加剤等も使用していませんが、サンゴも魚も元気いっぱいで暮らしています。

温室内では、最適な海水をお届けするために、生体や飼育システムごとに、飼育環境条件を設定して、製品の適合性を確認しています。(熱帯魚屋さんみたいですが、すべて品質管理用の水槽です)
以上の行程により、伊豆大島の清浄な天然海水を弊社独自の海水処理技術と高精度の水質測定や実際の飼育データを基に、価値ある安心・安全なとびきりの天然海水をお届けしています。




